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 The time flies like an arrow.The time and tide wait for no persons.  

BGM  2011.2.23発売あかね空前奏の一部分 叶弦大作曲




高知県立図書館報 とさみずき 復刊第41号 通巻第261号 1987年(昭和62年)6月30日発行 高知市丸の内1丁目1-10

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  図書館活動のあれこれ   高知県立図書館長 

高知県立図書館について、明治12年開設以来の年表によれば、7設置当時の蔵書3万5千冊・土佐史談第1号発行が大正6年・自動車文庫の開設は昭和23年・・・と、夫々の時代に図書館活動を支えた方々の文化向上への熱情や確かな歩みを読み取ることができる。私には六年ぶりの図書館勤務うである。
「いつでも・どこでも・だれでも・なんでも」の命題に取り組んでいた当時の図書館界を想いつつ図書館の任務と目標を改めて考えながら「高知県立図書館100年の歩み」昭和56年3月発刊)を読み返した・今から108年前、明治12年に高知書籍館(しょじゃくかん)を高知公園懐徳館に仮設(6歳未満は入館せず、男子のみ利用)、明治21年(明治は67を、昭和は25を加えることにより下2桁は西暦に読み換わる)から高知図書館となり、閲覧冊数を3冊から6冊に増し、閲覧は有料となる。5厘の入館料(米1合)で入館者は5分の1の減少するが明治36年ごろから無料となり漸増し40年には約2万人(昨年度は本館のみで約16万人)。この間、明治29年高知図書館(現教職員組合教育会館)が新築になり、懐徳館から移転している。大正5年には県立図書館(現県庁舎西端)が落成し図書携出が可能となり夜間開館も開始、翌年巡回文庫誕生。開館50年の昭和5年に調所6万冊(昨年度末にには23万冊)。戦時下の図書館時代および戦災による焼失の時代を経て、戦後5年目、藤並の森に新館の落成(同年4月、図書館法制定さる)。その後20余年昭和48年現在地に再築されたのが、現在の図書館である。
図書館法による図書館は、「図書・記録その他必要な資料を収集し、整理し、保存して一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究レクリエーション等に資する・・・」ために「資料の適切な分類・排列、総合目録の作成整備、読書相談、相互貸借、分館、閲覧所、配本所、自動車文庫、貸出文庫の巡回、読書会、鑑賞会映写会、資料展示会、学校・博物館・公民館・研究所との緊密な連絡と協力・・・」の実施に努めなければならないと規定し「利用は無料」で「国民御教育と文化の発展に寄与すること」としている。
ブランクエリア(サービス空白地帯)の解消や図書館システム(地域中心館は分室や移動図書館等の連絡網を整備しサービスが全域に行われるようにする)の確立については夫々の図書館で年来の目標としているところであるが、図書館間の相互協力(資料相互貸借・参考業務面での協力)や分担収集についての現況と私見としての当世風検討項目の若干について書き出してみた。
情報・資料は分秒きざみで増大し続け、利用者の利用への要求は多様化し、さらに高度化・専門化してくることにより、一図書館だけでは要求に応えることが不可能となるであろうところから、全国的システムづくり中で、資料の提供に関わる相互貸借の試案が、この3月にまとめあげられている。全国図書館協議会による2年がかりの「都道府県立図書館間の相互貸借に関する規定試案」である。本県立図書館は全国委員会(7名)全国調整委員会(8名)の委員として、広瀬典民前館長・川崎真喜子館内奉仕班長が参画した。この相互貸借をすでに実施している地域についても、問題を抱えているのが実情のようである。例えば、地域の枠を超えて貸し出すことの問題・資料の制限・貸し出し期間・紛失汚損き損の問題・経費の負担等々である。
試案では、30日間を目途に各館で資料を融通し合い、郵送料等の経費は片側分を各館で負担するとあり、本県公共図書館では、数年も前から改善しつつ実施しているところである。ところで相互貸借の円滑なる実施というか推進のためには、当然のことながら所蔵の総合目録の整備・資料の所在とその有無等に関わる検索能力の向上が必須となる。ひところ、「在る資料はどこにでも在り、(自図書館に)無い資料はどこにも無い」というような表現で複数館間での分担収集と目録整備への取り組みの必要性が喧伝されたことがあった。ここにも現有図書の検索が重要な鍵になっていた。図書館に機械の導入は必要であろうか。
各図書館で調査相談(参考業務)に応ずることすでに久しい。その内容や項目数は膨大なものと推定されるが、そのおりおりに血の出るような努力をして、調べ上げた遺産を全県・全国的に活用できるような機械化(ネットワーク作り)やデータ通信の冠する検討が・設備を持つ図書館が漸増する今日、好むと好まざるにかかわらず、今後の日程に上がってくるのではないだろうか。貸し出し返却業務その他各種統計類の省力化があるかもしれないが、その小容積でのデータ集積能力や情報検索の高速処理と即時性の活用というか利用についてである。もしかすると今後、マイクロフィルム関係も(すでにヴィデオディスクのようにカラー処理も可能)で保存、利用、jんぱん(電送)ということになるかもしれない。出版情報に関するオンライン、CDはすでに稼動している。国会図書館では、この4月から通信回線仕様の端末利用申し込みを受け付けており、四国では徳島県立図書館がこのほど申し込んだということであった。もちろん図書館未設置町村が一日も早く解消され、県システムに連動しつつ生涯教育時代における身近な文化施設として愛され活用されることを第一義的に考えてゆく中で、この百年間、今ほどの情報洪水社会にあるいはシステム確立の業務の中に、機械化・経費負担・省力化・環境労働条件・職業病・7司書の専門性・利用者のサービス・・・等々を検討することの必要なときを迎えてくる。
本県では、三市で移動図書館が活躍しているが、近々一市または一市二町村で導入の予定とか、朗報である。本年は全国移動図書館研究集会が12月3・4日高知市で開催予定であり、8月までには要項とご案内がお届けできるよう準備中である。



P5 部落差別をなくすために 落書き事件で職員らアピール

4月4日のこと、県立図書館で部落差別の落書きが発見され、職員一同これに講義して、アピールを行い、利用者に対して次のようなアピール文を配り、部落差別を無くすための協力を訴えた。
4月4日(土)高知県立図書館1階及び2階の男子便所で、わずかな時間に3箇所にわたり、部落差別の落書きが発見された。
投函では、過去3度にわたりこのような恥ずべき行為がありました。部落差別をなくすためにはどうしたらよいかということに心を砕いてきた私たちは、怒りを感じずにはいられません。部落差別は、被差別部落の人々の人間性を否定し就職や結婚などにおける当然の権利までも侵害しています。
私たちは、この事件を通じて一人ひとりが部落差別を真摯に受け止め日常活動を通じて差別を許さない社会をつくるため、さらに努力してゆきたいと思います。
利用者の皆さんにおかれましても、部落差別をなくするために、ご協力下さいますようお願い申し上げます。
1987年5月8日
高知県立図書館長     名
他図書館に勤務するもの一同

アピール文のビラは全職員が交代で3日間、利用者に玄関入口で配付し、また2週間アピールは玄関に掲示した。利用者の反応は大きく、事件経過をくわしく聞く利用者や「けしからんことを」と怒りをぶっつける人もいて、差別を許さない連帯を深めた。



同P8  県内出版時評 県出版文化賞に五点  図書館長 名



「高知県人」
    月刊 高知県人連絡誌 1987・36巻・8号 16P
図書館活動一口メモ  名(県立図書館長)

高知県立図書館の設立は明治12年、高知公園懐徳館に高知書籍館の仮設にはじまる。
蔵書3万5千冊、6歳未満は入館せず男子のみの利用であったという、明治21年に書籍館は高知教育会に寄託され、館名が高知図書館と改められる。明治29年、現在地の北(県教職員組合教育会館)に独立館として新築された。大正5年、県立図書館(現県庁西端)が落成し図書帯出が可能となる。開館50年の昭和5年、蔵書6万冊。

戦時下の図書館時代および戦災による焼失の時代を経て、戦後5年目に現在地に新築落成し、昭和48年再築された。(昭和56年3月発行の「高知県立図書館100年の歩み」をご一読されたい)建築面積1,342u、鉄筋コンクリート3階建て(一部4階)、閲覧室263席(一般104、生徒104、子供559)、集会室・展示ホール・産業資料室(特許・実用新案広報など)等の特別室をもつ。蔵書34万冊。巡回文庫用自動車2台。職員28名。昭和61年度の本館での館外貸し出し冊数9万6千冊・自動車文庫での貸し出し冊数11万4千冊は各市町村の拠点より貸し出し図書として利用されるわけで閲覧延べ冊数を約35万冊と推定。利用人員は、本館15万7千人(うち子ども2万4千人)・館外奉仕(自動車文庫・へき地学校巡回文庫・親子読書活動等々)のべ17万余人。つまり、昨年度は、のべ33万人利用者が県立図書館の図書を、のべ45万冊利用した。本館の利用時間は次の通りである。閲覧室 月〜金曜 午前9時〜午後7時 土曜日 午前9時〜午後5時  産業資料室 月〜金曜 午前9時〜午後5時 土曜日 午前9時〜0時30分  子ども読書室 月〜土曜 午後1時〜午後5時(小中学校の春・夏休みは 月〜土曜 午前9時〜午後5時
なお、日曜日・国民の祝日・国民の祝日(日曜日と重なるときは翌日)・資料整理日(毎月末日、ただし日曜日又は国民の祝日に当たるときはその前日)・資料特別整理期間(春季2週間以内)は休館日である。

各月の定例行事は概ね次の通りである。
古文書研究会 毎月第2・第4水曜日  読書会 毎月第1木曜日  子どもの本の読書会 毎月第3木曜日  ストーリーテリング勉強会 毎月第2火曜日  子ども室では毎週火曜日に「お話の時間」がり、好評である。なお、年1回であるが、子ども読書研究会(来年1月14日)子ども読書入門講座(香我美町で11月13日)・郷土資料取り扱い講習会(来年2月10日)当の開催を予定している。
県立図書館(高知市丸の内1−1−10)3Fには土佐史談会(明治45年史談の会合に始まり大正六年機関紙「土佐史談」が誕生したという。会員数約700数十人・うち県外会員67人、国外3人)事務局があり、図書館と提携しつつ事業を推進しているところである。即ち、高知県を中心とする歴史・地理その他、これに類する研究発表をし、県民文化の工場に努め(同会会則第2条)ている。4月には春の史跡めぐりとして潮江山に眠る先人の墓所を訪ね、8月15日には第26回郷土史入門講座(土佐の自由民権運動)を計画、10月刊行予定の機関紙「土佐史談」は自由民権特集号となる。
ほかにも、8月22日の親子史跡めぐり(高知城の秘密を探る9とか、10月25日には秋の史跡めぐり(芸西村、安芸市、馬路村の各歴史民族資料館をたずねて)等も予定しているので紙上を借りてご案内申し上げるしだいです。

ところで、県下の図書館は県立1、私立9、町立7(東洋町・土佐山田・土佐町・伊野町・春野町・佐川町・窪川町)ほか赤岡町に農協図書館と高知市に塩見文庫。
うち自動車文庫用自動車(BM)で巡回しているのは、高知市・宿毛市・土佐清水市の三市。南国市で近々導入のご予定とか、朗報である。このBMによる巡回は移動図書館とも呼び、ブランクエリア(サービス空白地帯)を解消させる妙手であるとされている。
今年12月3日(木)4日(金)の二日間、高知市に於いて「全国移動図書館研究集会」を開催の予定であり盛会が期待されている。







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