2008年2月議会 谷本議員の予算委員会質問 2008.3.7
| 質問項目 | 答弁者 |
| 食の安心・安全 | 知事 |
| 産業振興 | 知事 |
| エムセテック社 | 商工労働部長、知事、 |
| バイオマスボイラー | 産業技術部長 |
| 農業課題 | 農業振興部長、産業技術部長 |
| 県一漁協 | 海洋部長、知事 |
【谷本委員】
谷本でございます。尾ア知事、就任3ヵ月。県政運営、毎日ご苦労様でございます。私とは初めての議論になりますもんで、今後も含めて、一つまた、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
食の安心・安全
まず、知事に対しまして食の安心・安全に関して、お伺いをいたしたいと思います。
国内食料自給率が一段と低下し、世界の先進国中、最も低位置の実態となっております。食料は、国民生活にとって一日も欠くことのできない最も重要で必要性の高いものであります。今回の中国製冷凍ギョウザの農薬混入による中毒事件は、今後における国民食料の安全確保に関し、重要な警鐘を鳴らし多くの問題の提起をしたと思うものであります。
そこで輸入食品の安全対策の強化は必要でありますけれども、この度の問題解決策の基本として、安全・安心な国内産食料の生産確保、流通が大事な一直線の道のりだと思いますが、この事の知事のお考えを、まずお聞きをいたします。
【尾ア知事】
委員ご指摘の通り、食の安全・安心の確保というのはきわめて重要なことでございまして、これに対する消費者志向の高まりというのは、本県農業にとっても、これは追い風ではないかと考えております。
環境保全型農業、これを今後とも推し進めてまいりたいというふうに考えております。生産履歴の記帳、残留農薬の自主検査、さらには出荷流通段階での品質の適正な管理など、その他の施策についても推し進めていくことで、環境と安全・安心というものを大切にする農業の、全国的なトップランナーを目指してまいりたい。それが県の姿勢であります。
【谷本委員】
次に、わが国の食料自給率は、1965年73%でありました。現在、穀物では近年約27%まで低下をしております。その流れの中で、国内一次産業基盤の崩壊が急激な形で進行しており、農林漁業の果たしている多面的機能の維持が失われていっております。
それには、国内食料自給率現行カロリー39%の向上を目指す実効ある取り組みを強力に国に対して求め、国内の食料自給による食料主権の確保を目指す事により、国内農林漁業振興を図っていくべきと思いますが、知事の考えをお伺いをいたします。
【尾ア知事】
食糧自給率の向上というのは、食料の安定供給と共に、国土保全等の観点からもきわめて重要なことであろうかというふうに考えております。このため、国はむろんのことでございますが、本県におきましても健康増進や食育の推進と一体となって、米や野菜などの総合的で効果的な消費拡大策を、模索をしてまいったところでございます。
ご存じの通り、米飯給食の回数も全国に比べて増やしておりますし、またさらには野菜健康プロジェクトという形で、本県野菜の消費拡大、地産地消という形での消費拡大にも努めてまいったところでございます。
そしてこういうことを行うことは、結局のところ、農業をはじめとする一次産業を基幹産業とする本県にとって追い風と、これもまた追い風となることと考えているところでございます。
こうしたことから、国に対しましても国産農産物の消費拡大に戦略的に取り組むための対策を講じる事を提言していってはどうかと、そのように、いま考えているところでございます。
【谷本委員】
長い人類の歴史の中で、生きるための食料確保の争奪で民族間における争いが繰り返されてきた歴史の事実がございます。「農」を主体とした一次産業の大切さと、果たすべき役割についての所感をこの際お伺いをしておきます。
【尾ア知事】
農業には、私たちの命をささえる食糧を供給するという役割に加えまして、先程と重複いたしますけれども、国土の保全、自然環境の保全と、そういう非常に多面的な、重要な役割かあるものと考えております。
とりわけ本県におきましては、全国に誇りうる園芸農作物がございます。さらにはこれらを生かして、今後グリーンツーリズムという形で観光面に発展をさせていったりとか、さらには何よりも農村漁村の活性化という方向に展開をさせていったりとか、そういうことが求められておるというふうに感じておりまして、何よりも本県の一次産業、これは基幹産業として位置づけるべきものだと考えております。
また今後の経済成長を目指すにあたりましても、一次産業、これと二次産業、三次産業との連携をはかっていくこと、これによって相互によい影響をもたらして、本県経済の底上げをはかっていく、そういうものの出発点となるものだというふうに考えております。
【谷本委員】
現状の食糧自給率の問題で、一言、最後に述べさせてもらいますけども、食料はいつの時代でも、大変、私どもにとりまして、限りない大切な物でありますけれども、場合によりましてですね、時と場面によりましては、重要な戦略物資としての役割も果たしてきた経過がございます。
そういう点で、やっぱりこのことを忘れてはならないという思いを、一言、この部分で述べさせていただきたいと思います。次に移ります。
産業振興
次に、高知県産業振興の現状と課題に関し、知事並びに関係部長にお伺いをいたします。
本県産業の概念といたしまして、農林漁業と鉱業及び製造業等、一次、二次産業に加え、多様な形態での三次産業等が、それぞれの部門において懸命に頑張って、平成17年度全産業による県内総生産額として名目2兆3460億円、全国で46番目で有ります。
知事は基本姿勢の一つとして、高知の良さを活かして高知県に活力をとの立場を掲げられておりますが、今後の産業振興に対し、活かせる、伸ばせる高知の良さ、その可能性としてどのように捉えておるのか、お聞かせを願いたいと思います。
【尾ア知事】
まず何よりも、先程申し上げましたように一次産業でございます。一次産業につきましては、他のものがおおむね45位、46位という状況のなかで、20位台であったり、10位台であったりということで、比較的に優位がございます。
このよさを活かしていかなければならないと思いますし、さらには本県の一次産業につきましては、先程申し上げましたような安全・安心などという形で、全国に先がけて取り組みを進めてきた、そういう強みもございます。これを活かすということが一つでございます。
また二次産業につきましても、本県には非常に、農機具や鉄砲、土木機械などを始め、一次産業から発して成長してきたような産業もあるわけでございまして、このような本県独自の技術ということを活かすことも重要であろうかと考えております。
そしてこの一次産業と二次産業、そして三次産業、これを、両者をしっかりとマッチングさせて連携させることで、相互に良い効果をもたらす。これが本県経済の底上げを図ることかと思っております。
そして三番目になりますけれども、最近は産官学連携の成果などもありまして、知的財産というものがだんだんと育ってきております。これが新しい展望をもたらす可能性があります。いまある強みを活かすとともに、この新しい萌芽というのをしっかり育てていくこと、これが大切であろうかというふうに考えております。
【谷本委員】
次に、平成17年度高知県経済の概要によれば、経済成長率は名目で前年度比0.5%増となり、5年ぶりにプラス成長となっております。本県にとって全国レベルにおける各数値比較は、ほぼ低位指定席的であり、特に、経済活性的指標の低さが際立っているという特徴がございます。この事は、近年の結果としてではなく、以前から似通った傾向として今日に至っている実態の中で、昨年、土佐経済同友会の「高知県経済の活性化の方向性と活性化策に関する提言」と、この春、高知県工業会から「北村レポート」として「高知県工業会の展望」が発表されましたが、この内容に関し所感をお伺いいたしたいと思います。
【尾ア知事】
ご指摘の同友会の提言及び北村リポートともに、高知県の強みを活かすという点において、そしてまた一次産業を中心とした強みのあるものを伸ばしていくという点において、私と大きく、方向感を同じくしておると考えております。大いに参考にしたいと考えております。
【谷本委員】
この2つのレポートと提言、やっぱり基調としては高知県の特性をまず掌握し、それを活かすという、その土台の流れの中で、特に一次産業的な要素は重要であるという提言だと私は受け止めております。
次に移ります。全国最年少組といわれる尾ア知事が誕生いたしまして、県民の大きな期待もあるところでございます。高知県の全国低位指数にあえて甘んじることなく、一つでも少しでも改善していって欲しいと思いますが、この事に関し改めてお考えと決意をお伺いいたしたいと思います。
【尾ア知事】
ご指摘の通りでございまして、その低位に甘んじている各種の指標はもとより、その順位の問題ということもありますでしょうけども、何よりも大切なことは県民の皆さまの満足度を少しでも上げていただく、それから苦しい状況にある県民の皆さま方の暮らしが少しでも良くなるようにする、それが私の務めだと考えております。そのためにこの4年間、全力で頑張りたいというふうに考えております。
【谷本委員】
それでですね、やはりその決意の中で、私は申し上げたいと思うところでございますけども、地道でも、派手さはなくてもですね、小さい事でも確実に積み上げていくことがやはり基本になるのではないか、と。だから一発ホームランとか、あるいは大きな宝くじが突然当たるという、そういう起死回生の一発ということはなかなか、めったにない事でございまして、やはり常識に照らした地道な努力が必要ではないかというように申し上げておきたいと思います。
それで、取り組みの今後のことについてでありますけども、やっぱり私は、議論の中でですね、いろいろ方向づけを出していくという原則があろうかと思います。そういう中で、いろいろ、今後の取り組みに対する一致する点、また共通する課題も大いに私どもとしてあるわけでございまして、その中で力を合わせて一致した方向で全面的に協力したいというように、私は考えております。よろしくお願いをいたしたいと思います。
エムセテック社
次に移ります。須崎市に進出し事業展開中でありますMセテック社に関しお伺いをしたいと思います。
Mセテック社は、太陽光電池用シリコンウエハー製造における世界的トップクラスの位置付けにある会社であります。環境にやさしいクリーンエネルギーとして世界的にも注目をされ、無限ともいえる太陽光の利活用の流れの中で、順調な業績推移となっております。現在中国2工場、国内4工場が稼働中であり、県内には高知工場として須崎市の松下寿電子工場の跡地に、2004年度に操業開始をされまして、現在に至っております。地元雇用主体として、現在、157名の従業員体制で事業展開をされており、稼働結晶炉126台、複合加工機10台で月産80トンの単結晶シリコンウエハーの製造が行われておる所でございます。
そこで、今後の事業展開に関して、お伺いをいたします。順調な事業展開の流れで現在、須崎市に高知第2工場建設への取り組みが進められております。概要といたしまして、製造棟としての主体建築物3棟と各種付属設備等の工作物となっておりまして、今後、想定事業費として110億円から130億円とも言われております。雇用の確保をはじめ地域活性化に対する大きな期待もされておる所でございます。
今年秋の操業を目指しての計画が予定をされており、県行政としても、一日も早い敷地造成と、引き続く取り組みとしての建物に対する建築確認申請、また工業用水等、行政として当面対応しなければならない課題に対し、県、市一体となる取り組みも必要と思いますが、この項商工労働部長にお伺いをいたします。
【秋元商工労働部長】
お話の高知第2工場の建設用地は、現在、須崎市が用地を民間から取得をし、造成工事を進めております。5月末にはMセテック社に分譲の予定でございます。
県では昨年、須崎市からの申請に基づきまして、同用地につきましては、県の補助制度を適用する指定工場用地として指定をしたところでございます。
今後の整備につきましては、お話にありました工業用水を確保するための上水管のつけかえについて、工場用地整備事業を適用いたしまして、県と須崎市が等分の割合での支援を検討をしているところでございます。今後とも須崎市とよく連携を取り、円滑な操業開始に向け、取り組んでまいります。
【谷本委員】
それでは、今後のMセ高知第2工場新設に関し、県行政としての支援措置に関して、この項は知事にお伺いをいたします。
県として、工場新設に関して支援を行う必要が当然としてあるわけでございますけども、どのように取り組むのか知事にお伺いします。具体的にお願いをいたします。
【尾ア知事】
Mセテック社の高知工場、これにつきましては、高幡地域における雇用の創出、産業振興に大きな役割を果たしていると考えておりまして、第2工場についても同様の期待が持てるところでございます。このため、用地の取得費や工場の建設費などについて支援を行わさせていただきたいと考えておりまして、今議会でご提出させていただいておる補正予算、この中で債務負担行為を計上させていただいているところでございます。適切にご審議をたまわりたいと考えております。
【谷本委員】
このMセの事業展開といいますのは、非常に現状でも、今後Mセテックへの事業拡大が大きく伸びる可能性をはらんでございます。今後、関係諸機関に対する働きかけを含めてですね、出来得る支援策を強くこの際に要請をしておきます。次に移ります。
バイオマスボイラー
次に、高知県における森林バイオマス資源の利活用による、施設園芸加温用石油代替エネルギーの研究開発に関して、産業技術部長にお伺いをいたします。
この課題に対して、中山間地域における森林バイオマス資源の有効利用及び技術開発事業として、平成15年度より調査、研究、実証試験に取り組んできた所であります。
経過として、平成19年度実用化に向けて取り組んではまいりましたけれども、燃焼灰に混入する重金属の六価クロムを基準値内に抑える事ができず、開発を断念した経過となりました。しかしながら、石油価格の上昇による木質バイオマス代替エネルギーに対する現場の要請度は、一段と高まってきている現状があり、引き続き平成19年度から民間企業との連携・支援等により、取り組みが進められてきたと認識する所であります。
この間、前段で取り組んできた低コスト高知型ボイラーの研究開発における取得技術も今後利活用して行けるとの事であるが、どのような点が生かせるのか、まず部長にお伺いをいたします。
【西本産業技術部長】
高知型ボイラーの開発は断念致しましたが、その過程で消煙や煤じん対策、製材端材やチップの乾燥方法、含水率の違いによるチップの燃焼特性、温度管理システムなどのノウハウが得られました。現在、このノウハウを民間企業等のバイオマスボイラー開発や実証試験などの技術支援に活用をしております。
【谷本委員】
それでは、今現在、木質バイオマスボイラーの開発として、どのような現状になっているのか、お伺いをいたしたいと思います。
【西本産業技術部長】
現在、かつて県内企業が開発し、使用しておりました木くずや原木を燃料とするボイラーをベースとして、燃料を原木と重油で併用するボイラーに改良を行っております。以前のボイラーは、黒煙の発生と煤じんの飛散が課題となっておりましたので、高知型ボイラーの開発で得られましたノウハウを活用して、企業と共同で消煙装置や煤じん除去装置の実験を行いまして、これらの課題は実験室段階では解決をしております。
【谷本委員】
今の話を聞きますと、完璧やなくても、だいたい今後、実証試験と実用化に向けての取り組みが進んでおるという、そういう感覚でございました。今後において積極的な取り組みとして、実用化への実証実験にも取り組むこと、また早期の現場普及を目指す取り組みの必要性もあろうかと思いますけども、所見をお伺いいたしたいと思います。
【西本産業技術部長】
今後実用化のためには、現地で実際に試作機による試験を行い、開発しております消煙装置の効果や煤じんの除去効果、加温能力や安全性などについて検証していく必要があると考えております。
【谷本委員】
このバイオマスボイラーの事例が成功すればですね、事業目的としての県内に豊富にある森林木材資源の有効利用による農林業の直接的振興と、環境負荷の少ない取り組みとしても評価されると思うところでございますけども、この点をお伺いいたしたいと思います。
【西本産業技術部長】
このボイラーが広く普及しますと、本県に豊富にある森林資源を高騰しております化石燃料の代替エネルギーとして活用することができますので、木材の有効利用による農林業の振興と、環境負荷の少ない循環型社会の構築に寄与できるものと考えております。
【谷本委員】
ぜひですね、今後も引き続き低価格で高い効果の期待できるよりよい設備への改良にも取り組む必要があろうかと思いますけども、この際、最後にもう一点お伺いをいたしたいと思います。
【西本産業技術部長】
このボイラーを広く普及させるためには、導入コストの低減、燃料供給の完全自動化、燃料の安定的な確保などの課題がございます。今後も改良していく必要がありますが、まずは実証試験を行う中で、農家のご意見もお聞きしながら現在開発しているボイラーの実用化に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
【谷本委員】
ぜひですね、また精力的によりよき方向をめざして全力をあげていただきたいという要請をしておきます。次に移ります。
農業課題
次に農林部長に、農業に関する現状と課題について、お伺いをいたします。
本県農業の基幹部分としての施設園芸部門に関し、本園芸年度も折り返し時点となった所でございますけども、現時点における実績は、どのような推移となっているのか。また、経過年度との対比はどのように捉えているのか、お伺いをいたします。
【川上農業振興部長】
20園芸年度の上半期の高知県園芸連の販売実績につきましては、青果物、花卉類を合わせますと約288億円で、前年同期と比べて102%、過去3ヶ年平均と比べましても102%となる見込みでございます。
販売額は平年以上で推移をしておりますが、重油をはじめとする生産資材が大きく値上がりしている状況では、園芸農家にとりまして、さらに厳しい状況にあると考えております。
【谷本委員】
次にですね、生産現場における課題について、お伺いをいたしますが、原油価格が高騰し、高値の推移のままで、現在、施設園芸農家の経営を直撃をしております。そして、この重油価格がこのままの状況で続くとなれば、本県冬場の加温施設栽培における否応なしの一大転機となる局面の様相となってまいりました。ミョウガ、シシトウ等、前年度で10アール平均約100万の加温重油代でございます。冬場のメロン等ではそれ以上の出費となり、さらに本年度の支払い分といたしまして、前年度比20%増しの予測でございます。
そこでお伺いをいたします。県行政として本課題に関し、当面の取り組み等は行ってきたと思うところでありますけども、とりわけ取り組みの一つとしての主要品目の低温栽培向けの品種開発に関し、生産現場において要請度の大変高い事項でございますけども、普及段階への見込み等はどうか、この項、産業技術部長にお伺いをいたしたいと思います。
【西本産業技術部長】
農業技術センターでは、平成17年度からピーマンで、平成18年度からはシシトウで、従来の品種に比べて3度低い温度でも収量、品質のすぐれる新しい品種の育成をすすめております。
生産現場へ普及できるような収量、品質を兼ね備えた実用品種として仕上げるためには、通常5年から10年かかりますが、低温に強い遺伝子の固定を早めるバイテク手法を用いるなど、期間の短縮を目指して取り組んでまいります。
【谷本委員】
ぜひですね、大変な状況と環境はよく理解をしていただいておると思いますので、頑張っていただきたいと思いますし、非常にこの部分も要請度の高い現場の問題でございます。
この項最後になりますけども、西本部長はこの春退職をされるとお聞きをしておりまして、非常にですね、各、多岐にわたる部門に対して、精力的に課題推進に頑張っていただきました。大変ご苦労さんでございました。ありがとうございます。今後もなおですね、また後進の指導を含めて、私たちにもよりよき指導をお願いを申し上げたいと思います。本当にご苦労さんでございました。
次に、重油高への対応について、農林部長にお伺いをいたします。出来得る限り生産現場と行政とが一体となって取り組む必要はありますけれども、県独自支援でも限界があると思われるこの課題に対して、部長として県内ハウス加温施設経営存続へ国、関係機関に対する支援、要請の現状、具体的取り組みをお尋ねをいたしたいと思いますが、特にバイオマスエネルギーの関係等含めて答弁をしていただきたいと思います。よろしくお願いします。
【川上農業振興部長】
県では重油価格の上昇基調に転じました平成17年度以降、国に対しまして、平成17年には、重油の安定供給と価格対策及び省エネ技術の開発、18年には原油価格高騰対策の継続、平成19年には木質バイオマス加温実証事業への補助金の拡充の対策を講じるよう提案要望をしてまいりました。
引き続き平成20年度は、緊急対策として実施されました省エネ対策事業の継続について、国に要望することとしております。
なお、民間企業の農業関係団体等が平成20年度の地域バイオマス利活用交付金を活用いたしまして、重油よりも低コストな木質バイオマス暖房機を実用化するための実証事業を計画しておりまして、産業技術部とともに、こうした取り組みに対して支援をしてまいります。
【谷本委員】
ぜひ抜かりのない手続き等含めてですね、よろしく要請をしておきたいと思います。
県一漁協
それでは次に、本県における重要な基幹産業としての漁業に関する現状と課題に関してお伺いをいたします。
土台といたしまして、就業者の減少、高齢化、低所得等の現状の中で漁業集落存続が懸念される深刻な状況が広がってきております。長期間の漁業不振の流れで、このままでは日本の漁業は、遠からず崩壊すると心配される事態になってきております。この現状の中で、当面の、大変漁業に関しての重要な課題である県一漁協構想について、部長に、まずお伺いしたいと思います。
いよいよ「県一漁協組合」が、この4月1日より正式に発足の運びとなりました。一連の取り組みから足かけ約10年間、取り組み当初から今日における漁業を取り巻く状況を、どのように捉えておられるのか、まずこの点、お伺いをいたします。
【坂東海洋部長】
平成10年に78漁協がございましたが、そういった78漁協の合併をすすめようという動きが出てまいりましてから、お話にありましたように、10年が経過をいたしました。この間、本県漁業を取り巻く状況は大きく変化をしてまいりました。特に魚価の低迷や燃油価格の高騰が漁業経営の悪化に拍車をかけておりまして、漁業者の減少や高齢化の進行などで、本県の漁業を取り巻く環境は極めて厳しい状況におかれてきたというふうに思っております。
【谷本委員】
非常に認識は一致するところでありまして、この厳しい環境の中での出発点になり、多くの課題山積の中、当面、県一漁協の取り組む重要課題として、どのような要素として認識をしておるのか、まずこの点、お伺いをいたします。
【坂東海洋部長】
まずは合併をいたします高知県漁協として、安定した経営基盤を確立をするということが重要だと考えています。そして漁業者の皆さん方の切実な要求であります魚価の向上や燃油供給の安定供給ということをはかることにすみやかに着手をしまして、できるだけ早く成果を出していくことだ大事だと考えております。そのためには合併のスケールメリットを最大限に活用していくということが大事であり、また必要であると思っております。
【谷本委員】
県一漁協設立に関し、当面ですね、未参加漁協組合も一定存在するなかで、やはり未加入組合としても、県一漁協の事業展開と今後の取り組みに関し、大きな関心を持っていくものと思われ、その事一つ捉えても、全力をあげて組合財務基盤の健全性の確保を目指しての取り組み、事業の採算性の重視等、慎重さと思い切った市場開拓等の大胆さを兼ね備えた取り組みも必要と思われるところでございますけども、いずれにしてもですね、絶対に失敗は許されないというそれくらいの思いもありますけども、所見を、この点お伺いします。
【坂東海洋部長】
高知県漁協は、役職員の削減やブロック別の経営管理の徹底など、徹底をした経営の合理化をする事によりまして、黒字が計上できるように取り組むこととしております。一方で、直販所の開設などによります新たな販売事業への取り組みや、現在の燃油供給体制の思い切った見直しなど、いわゆる攻めの経営も行う事といたしております。県ではこうした取り組みが着実に実行されますよう、支援をしてまいりたいと考えております。
【谷本委員】
それでですね、実績を一定積み上げる、そしてまたそれなりの結果がでてくれば、当然の流れとして未加入組合としても再度「県一」参加への機運が出て来る事も予測を、当然としてされます。その事の見込みはどうか、また、その場合にですね、想定される手続等はどのような事になるのか、この際お伺いをしておきます。
【坂東海洋部長】
私自身、合併臨時総会が開かれました後に、不参加漁協に対しまして、浜回りをしてまいりました。その中で組合長さんなどともお話をしてまいりましたが、皆さん方は県一漁協構想の必要性と言う事は十分ご理解をされておりますし、また、やがては、というような気持ちも持たれておられました。
ただ、高知県漁協の動きを見てみたいとのご意見もございまして、このため高知県漁協がしっかりとした経営や運営というものを行っていくということが大事な事ではないかというふうに考えております。
そうしたことで、お話にありましたような、失敗は許されないというような気持ちで取り組んで行かなきゃならないと考えております。
またお尋ねがございました、今後参加します場合の手続きについてでございますが、これは今後は吸収合併という形になります。従いまして、新たに参加いたします漁協と高知県漁協との間での話し合いによって合併がなされていくということになります。
【谷本委員】
次に移ります。この課題の流れの中で、今後の事業展開で、まず出発当初年度、今年度のことでございますけども、事業として旧単位漁協組合等の持ち込み欠損金も一定あると聞かされておりますけども、その額としてどのように捉えておるのか、また、その内容を踏まえた発足初年度における事業決算の見込み概要としてどのような予測をされておるのか、お伺いをいたします。
【坂東海洋部長】
持ちこまれます欠損金は、25の漁協のうち、8つの漁協から合併時に持ちこまれます。スタート時の欠損金としましては、約6億円となる見込みとなっております。初年度の決算見込みにつきましては、管理費の削減やブロック別の経営管理の徹底などによりまして、1億4千万円の当期利益を計上できる見込みとなっております。
【谷本委員】
初年度利益見込みがあるという、非常に、私はちょっと安心をしたわけでございますけども、やはり今後におけるですね、事業展開の推移予測というものが、やっぱり長いスパンでみれば当然、なかなか不透明もありますけども、これからの推移予測といいますか、ここ数年間の推移予測はどのような方向付けなのか、予測の範囲で結構ですけども、お伺いをいたします。
【坂東海洋部長】
当期利益につきましては、年度によって上げ下げがございますけども、多い年で1億4千万程度、そして少ない年で9000万弱といったような見込みとなっておりまして、おおむね毎年1億円前後の当期利益を引き続き計上していける見込みになっております。
【谷本委員】
ぜひですね、予測に違わないというか、波乱のないような形で頑張っていただきたいというように思うところでございます。
この項最後に、知事にお伺いをいたしたいと思います。
「高知県県一漁協組合」発足に対しては、漁業関係者のみならず県民としてもですね、大変大きな期待を持っておるところでございます。そして知事として、組合設立発足にあたり、その意義としてどのように捉えておるのか、お伺いをいたしておきます。
【尾ア知事】
まず今回の高知県漁協の設立にあたりましては、本当に、今回この合併に参加された組合員の方々の多くは、この厳しい環境の中で、将来に危機感を感じられた中で苦渋の決断をされて、大同団結をされたものと考えております。
しかしながらこれによりまして、本県の漁業の再生をはかる上での活動基盤が確保できたのではないかと考えているところでございます。
今後はこの高知県漁協の設立というものを、本県漁業の再生に向けた出発点として、いろいろなお取り組みがなされることと思いますけれども、その際、最大の意義はやはり合併によるスケールメリットだと考えております。魚価についての交渉力という点もあります。効率的な流通ということもあろうかと考えているところでございまして、今回の合併については非常に意義深かったと思っております。今後のお取り組みを県としてもご支援申し上げていきたいと考えておるところでございますが、基本的には、そういう方向である限りにおいては、県一漁協に向けて進んでいくというのが、一番意義のあるというか、本県漁業にとっては目指すべき方向ではないかと、私は思っておるところであります。
【谷本委員】
あと聞く部分も、ちょっと、お答えをしていただいたような感覚がありますけども、もう一度お聞きをいたします。
いずれにしてもですね、厳しい環境下の現状の中での出発点となります。本県産業としての重要な柱の一つである高知県漁業の今後の存続のかかった重要な取り組みでございまして、県行政としても積極的な出来得る支援は今後も当然として必要と思われますが、知事の所見をお伺いを、もう一度いたしておきたいと思います。
【尾ア知事】
県一漁協設立にむけまして、まず今の合併されたところにつきましては、すでに財務基盤の確立などの必要な支援をしておるところでございますが、さらには来年度は海洋部内に支援のための窓口を設けて、県一漁協に向けた取り組みについてご支援したいと考えております。県一漁協支援チームというのを部内に設置するなど、県としても積極的にご支援をしていきたいと、そのように考えているところであります。
【谷本委員】
この項最後にですね、やっぱり、土台となる部分について部長にお伺いをしますけども、これ、本県の沿岸、養殖、定置等、各漁業形態における主な漁業就業者数のことでございますけども、昭和63年から平成15年の間においてですね、自営漁業者数として5496人から3508人と約60%以下に減少しております。漁業後継者の確保の必要性をどのように認識し、今後どのように取り組むのか、最後にお伺いをいたしたいと思います。
【坂東海洋部長】
お話にありましたように、後継者っていうのは減っておりまして、このままの減少が続けば、本県漁業が基幹産業としての役割が果たせなくなるのではないかと懸念をしております。今後の取り組みといたしましては、魚価の向上をはかり、就業意欲を高めていくことが必要であろうと考えております。このため魚価の向上に取り組みます高知県漁協というものをしっかりと支援をしていきたいと考えております。合わせまして、これまでも取り組んでまいりましたが、新規就業者を確保いたしますための制度資金とか、あるいは支援事業などこういった行政の施策というものを引き続き実施をしていきたいと考えております。
【谷本委員】
ありがとうございました。