2007年2月議会 田頭議員の一般質問と答弁    2007.3.5

質問テーマ 答弁者
安全安心まちづくり条例 知事文化環境部長
医師不足問題 知事、健康副支部長
オーストラリアとのEPA交渉 知事、農林水産部長
農業保全対策 農林水産部長
米の価格保障対策など 農林水産部長
鳥獣被害対策 企画振興部長森林局長
四万十川青のり 産業技術担当理事
第二問 農林水産部長森林局長
第三問   


 それでは、質問に入りたいと思います。

安全安心まちづくり条例
 まず高知県犯罪のない安全安心まちづくり条例議案について伺います。
 この条例案は、平成6年に警察庁に生活安全局が設けられてから、全国的に「生活安全条例」の名前で制定が進められてきたのであります。犯罪を防止し、県民の不安をなくすことに異論はありませんが、「生活安全条例」は、地域社会への警察の過度の介入やプライバシーの侵害、監視社会への危惧など、住民の中に心配する声の多い条例であります。
 この条例案は、「県は体制を整備する」、「推進計画を策定をする」、4つの「指針を策定する」などと定めているだけで、具体的な取り組みの中身については非常に不明確であります。実施に関する方策は、これから決定する計画や指針に丸投げをされており、いわば運用次第という面を有しています。そういう意味で施策を実施していく県の責任は大変に重大であり、そういった観点から、以下、質問を致します。
 まず第3条の基本理念で、「自らの安全は自らが守る」という意識を県民に強いていますが、これは行政や警察の責任を県民に転嫁するものではありませんか。日本国民は、安全を守ってもらうために税金を払い、銃刀保持の規制を受けいれているわけであります。アメリカのように銃の所持が認められている国ならともかく、銃や刀剣類とほとんど無縁の日本の一般市民が、凶悪犯や粗暴犯と対峙する事は大きな危険を伴います。防犯の第一義的責任は警察にあると考えますが、知事の考えを、まずお聞きをいたします。
 次に、この基本理念にもとづいて、「犯罪のない安全安心まちづくりを推進すること」を県民や事業者の「責務」とし、町内会などの地域活動団体に対しても、「安全安心まちづくりに協力するよう努めるもの」としています。14条では、災害対策基本法にもとづく自主防災組織との連携もうたい、県民あげて防犯活動に動員する総動員体制と言えるものであります。
 すでに高知県でも、民間パトロールなどの地域防犯活動が警察の指導のもとで進められていますが、この条例はその活動に拍車をかけるものであるといわなければなりません。防犯活動団体が、警察の下部組織として権力機構に組み込まれると、かつての自警団のように、非協力者を「不審者・異端者」として監視・排除するような地域社会の分断をもたらす危険性があります。防犯活動団体の自主性と民主的な運営をどのように担保していくおつもりなのか、部長の所見を伺います。
 次に、監視カメラについてであります。条例案には、「犯罪の防止に配慮した構造・設備等」の普及に努めるということがたびたび出てきますが、ここでいう「設備」には監視カメラが含まれます。行政が道路・公園や商店街に監視カメラを設置し、事業者には店舗や集合住宅にカメラを設置するように「助言」をする。こうして監視カメラが日本中に急増をしています。
 監視カメラについては、防犯上の効果にも疑問が投げかけられていますが、何より重大なのは肖像権・プライバシー権を侵害するという人権侵害の問題であります。設置した監視カメラの存在はどのように県民に知らされるのか、撮影したデータは誰がどのように管理するのか、こうした点を明確にしていくことが必要です。たとえば埼玉県の条例では、「防犯カメラの適正な設置と利用に関する指針」を策定をして「人権を侵害することのないように配慮する」とされていますが、本県の場合、監視カメラによる人権侵害について、どのような見解を持っているのか、部長の見解を伺います。
 「監視カメラで守られた安全な町」というのは、「監視カメラに見張られる不気味な町」と紙一重であります。人権の最大の侵害者は国家権力であるという反省から、公権力の恣意的な発動が市民の基本的人権を侵害しないように、市民が公権力をチェックするというのが近代立憲主義の基本思想であり、警察を含む公権力と市民とはそもそも建前上緊張関係にあります。本条例案にはこうした精神が希薄であり、人権に対する配慮が足りないと考えますが、知事のご所見をお伺いをいたします。

医師不足問題
 次に医師不足問題について、知事並びに部長のご所見をお聞きをいたします。
 まず、厳しい財政状況の中で地域医療を県として支えていくという姿勢を医師確保への予算措置を通して示されたことに敬意を表したいと思います。
 そもそも医師不足は政府の医師確保対策の甘さから来ているといわざるを得ません。病床100床に対する医師数ではアメリカが66.8人、イギリスが49.7人に対して日本は13.7人に過ぎません。また、人口1000人対比でもドイツ、フランス33人、アメリカ24人に対して日本は20人に過ぎません。
 にもかかわらず平成11年に「医学部定員の削減」が閣議決定され、10%削減の方針がいまだに続いています。昨年8月に出された「新医師確保総合対策」で一部の県と自治医科大学の定員増を認める方針を出されましたが、これはそれぞれの養成枠の前倒しにすぎず、削減方針は撤回をされていません。
 医師の養成不足は日本の医療の質にかかわる重要な問題であると同時に、日本医労連が2月19日に発表した全国調査によると宿直勤務明けで連続勤務している医師が96%にのぼるなど医師の過重労働を生み、医療事故などの原因にもつながりかねない重要問題であります。医学部定員の削減方針の撤回と医師の養成増、医師配置基準の大幅引き上げを強く国に求めるべきであると考えるが、知事はどう考えるのか。
 今回表面化している中山間の中小の自治体立病院での医師不足は、直接的には2004年度実施の新医師研修制度にともなう大学病院による医師の引き揚げが原因であります。いわばこれまで市場外の大学医局と「1対1」人事での医師確保に頼っていたものが、いきなり「市場原理」に放り出されたわけで、実施前から自治体病院協議会などからは危惧の声が出されていました。
 大学の独立行政法人化とも重なった医師引き揚げの状況をきちっと予測できていなかった政府の責任は重大で、制度の早急な見直しが必要であり、政府にそれを強く求めるべきと考えるが知事の所見をお伺いをいたします。
 以下、部長にお伺いをいたします。
 まず県予算の医師確保対策についてであります。医師確保対策の先進県である島根県では、医師を「呼ぶ」、「育てる」、「助ける」を3本柱に施策を進めているが、この視点が重要であると考えるがどうなのか。例えば、新設する奨学金制度については、国保連合会の制度との統一的運用を目指すと同時に、地域医療を担う志を持つ生徒をいかに掘り起こし育てるかの観点が重要になってきます。それなしに制度を作っても応募者がないという状況にもなりかねないのであります。学校現場、教育委員会、高知大学との連携の下、医療の現場、地域医療の醍醐味に触れる機会の創設が重要と考えるがどうなのか。
 呼び込む点では、本県出身の医師への状況、意向調査を行ってはどうか。本県出身で県外で就業している医師、勿論その他の医師も含め、医師本人と家族を含む地域医療見学ツアーなど高知の地域医療の醍醐味を県民性や風土とともに知ってもらう機会を多く設けることが重要と考えるがどうか。このような取り組みと合わせてはじめて「ドクターバンク」制度が生きてくると思うのであります。ただ設置しただけでは、求人はあっても求職医師の登録がないという状況になりかねないと思うがどうか。
 また、今後ますます比重が高まるであろう女性医師の働きやすい職場環境、勤務シフトの工夫も重要と考えます。そのためには、休職中を含む女性医師へのアンケート調査を県は実施したようでありますが、結果はどうであったのか。
 中山間に位置する中小規模の自治体病院だけで医師確保を行うことは難しいと考えます。県として医師の一括採用、医師のライフステージ、研修意欲に応じた統一的な人事、研修システム構築が求められていると思うがどう考えるか。
 医師不足のために救急体制を返上せざるを得ない事態、医師不足が過重労働を生み医師の退職を更に誘発する事態、それにより病院自体の存立が危ぶまれる事態を防ぐための緊急の医師派遣のシステムを県が主導して構築すべきと考えるがどうなのか。高知大学、県をはじめとする自治体立病院、国立病院機構、日赤等の公的医療機関、そして県医師会や民間病院を含む幅広い協力を得て「地域医療を守る」という観点で県が主導性を発揮すべきであると考えるが、どうお考えなのかお聞かせを願いたいと思います。

オーストラリアとのEPA交渉
 次に、農業問題について、以下、質問をいたします。
 平成16年「食料、農業、農村白書」は、平成6年WTO協定を受け入れてから約10年間に農業総算出額は21.2%減少し、農産物生産価格は7.7%下落したと指摘しています。政府が育成してきた大規模経営の農業所得も5年間に20%〜30%も減少、販売農家の農家総所得は過去5年間で8.8%、兼業農家でも6.4%下落しています。
 平成17年の農林業センサス農林業経営体調査結果概要によると、平成12年からの5年間で販売農家は36万6千戸、15.5%減少し、200万戸の大台を割り、耕作放棄農地は耕地面積の1割を超えています。食糧自給率も食料農業農村基本計画が掲げた目標の45%に近づくどころか、横ばいのままであり、多くの品目で国内生産の減少傾向が続いています。
 どの指標を見ても、政府の農政改革・米政策改革が、小規模農家のみならず大規模農家の戸数と所得を大幅に減少させ、脆弱化させ、日本農業と農村の全体的な崩壊をすすめてきたことを示しています。平成18年産米の入札価格は、買いたたきで最安値にはりつき、キャベツ・レタスなどの産地廃棄が繰り返されるなど、野菜果物の価格暴落も深刻です。
 そこに、貿易拡大を最優先するWTO協定を忠実に実行し、食料・農産物市場の開放をすすめ価格政策を放棄するなど、受給と価格安定に対する国の責任放棄の重大性、それを推進した政府の無責任さが示されています。
 農水省は先月26日、日本がWTO、EPAなどの国際交渉で仮に関税など農産物の国境措置を全廃した場合、食糧自給率は40%から12%に下落、国内農業生産は3兆6千億円減り、関連産業を含めると約9兆円が減少、375万人が失業、米・麦はほぼ壊滅するとの試算を発表いたしました。又、政府がオーストラリアとの経済連携協定、EPA交渉入りを決めたことに、農業関係団体や農家から不信と不安の声が大きくなっています。
 オーストラリアの対日輸出額は2兆7千億円規模であり、このうち石炭、鉄鉱石、液化天然ガスなどの鉱物エネルギー資源が7割を占め、日本はすでにこれらは無税にしておるわけですから、EPAによる関税撤廃の対象はもっぱら農産物であります。関税撤廃による農業への打撃は1兆4800億円、地域経済全体で被害損失は2兆円規模に上り、14万人が失業するとの試算も、農水省が発表しておるわけであります。しかもオーストラリアに重要品目の関税撤廃を認めれば、米国、カナダなど他の食料輸出国も成り行きを注目しており、日本に農産物市場の全面開放を迫ってくることにつながる交渉であります。
 北海道では知事をはじめ各界あげての反対運動がおこり、その運動は全国各地に広がり、JA全中は農産物の扱い次第で日本農業・農村が壊滅的な打撃を受けるばかりか、関連産業にも多大な影響が及び、地域経済が崩壊するのは必至だと、いま全国的に大運動を展開しています。知事の認識と、政府に対し、関税撤廃に応じないよう要請すべきと思うが、見解をお伺いをしたいと思います。

農業保全対策
 日本の農業と農村を破たんに追い込んできた反省もなく、更に工業製品の輸出や投資の拡大のため、農産物の輸入拡大をせまる財界の要請のもと、政府は戦後農政を根本から見直し、国際競争に耐えられる農業をめざすとして、対象を個別の農家経営では4ヘクタール以上、北海道では10ヘクタール以上の規模を持つ認定農業者に限定をする、集落営農では加入要件として、地域の農用地の利用で三分の二以上の集積目標が策定されていること、5年以内に法人となること、主たる従事者の目標農業所得が定められていること、定款又は規約を有していること、一元的に経理を行っていること、以上の要件をすべて満足する組織であると規定しているのであります。
 農水省の打ち出している農業構造の展望によると、平成12年に324万戸ある農家を、平成27年には家族経営で33万〜37万戸、法人生産組織で3万〜4万程度にしぼり、これに農地の7割、8割を集積するというものであります。それにもとづき、一部の大規模農家に施策を集中して、日本の農業と農村を支えてきた大多数の農家を切りすてる品目横断的経営安定対策が新年度からスタートするのであります。新政策の内容が明らかになるにしたがって、あまりにも実態からかけ離れた対策の問題点が浮き彫りになり、関係団体や農家から深刻な不安や混乱が起きています。
 以下、農林水産部長に質問をいたします。
 対象を限定する農家は、全国の状況をみても、4ヘクタール以上を経営している農家は、わずかに全体の4%です。9割以上は対象外であります。本県においても、総農家数32,517戸、そのうち販売農家数は21,069戸で、そのうち経営面積が3ヘクタール以上の農家でもわずかに538戸であります。
 又、本県の認定農業者数は18年12月現在、3,231経営体であります。しかしながら本県の販売農家数21,069戸に対し15%であり、主業農家、準主業農家10,419戸に対しても約31%でしかないのであります。政府の農業切りすてのもとで減少したとはいえ、本県の総農家数は32,517戸存在しており、大規模経営者、小規模経営者お互いが協力しあい田畑を守るために努力をしており、本県の農業と地域を支えているのであります。この対策が本格的に実施されれば、生産の大半を担う農家経営は大きな打撃をうけ、営農を続けられなくなり、田畑は荒れ、食糧自給率のいっそうの低下は必至です。
 したがって一部の農家だけに施策を集中して、多数農家は切りすてる施策は基本的に間違っていると言わなければなりません。農業生産の担い手を幅広く位置づけ、専業的な経営はもとより、兼業・複合経営、高齢者などその条件にあった者すべてを担い手に位置づけるべきであります。しかしそれは担い手の現状維持をよしとするものではありません。若い後継者がいるなど、規模拡大の条件がある農家に対しては、農地の集積も含めて地域としても支援をすべきです。
 以上を基本とする施策をすすめるべきだと思うが、見解はどうか。
 次は新方針が対象とする集落営農組織についてであります。
 政府はいまの規模の小さい農家は集落単位でまとめてしまえ、集落で面積が足りないなら隣と一緒になれば良いと無責任に言っています。しかし、今ある集落営農組織は小さな農家を守って集落を維持することを第一に、関係者の多大の努力で作られたものです。集落営農含め地域の協働は農林業が困難を増すなかで試行錯誤が続けられ、それぞれの条件に応じて形作られた農地を維持し、政策を続けるための取り組みであり、参加の形態も運用も多様です。それだけに面積規模や経営の一元化、法人化などの条件をつけるべきではなく、これまでの努力と試行錯誤、知恵や工夫を生かすことこそが必要であります。
 本県の現状は、県の定める基準の集落営農組織が38集落、準じる営農組織が105集落であり、国の基準をみたす組織は一つもないのであります。このことが、いかに国の基準が実情を無視した机上の空論であるかを実証していると言わなければなりません。抜本的な改正を求めるべきだと思うが、見解はどうなのか。
 次に国が二分の一補助し、残りは自治体が負担する農地・水・環境保全向上対策についてでありますが、現段階での希望集落はどれだけか、また予算的に希望集落すべてを採択することができる見通しなのか、お聞きをいたします。

米の価格保障対策など
 次は米政策についてであります。
 平成18年産米の作況は不作で、指数は96と90で、平成13年以来戦後3番目の不作です。通常であれば需給がひっ迫し、上がるはずですが、実際は下落が続き最低価格を更新しているのが現状であります。米改革が始まって以降の3年間、豊作が一度もなく、国内産米の繰越在庫が過去最低水準になっているにもかかわらず米価が下がり続け、かつて60キロ2万から1万8千円した生産者価格は、60キロで1万3千円から1万1千円の現状であり、米価が市販のミネラルウォーターより安くなり、時給にすると260円前後にしかならないのであります。
 米価下落の原因は、政府が米の管理責任を放棄したもとで、計画的な供給が崩され、米が集中する秋に価格が下落する仕組みが作られ、大手スーパーや大手外食産業、そして大手米卸が価格破壊と買いたたきを野放しにし、政府自らが備蓄米の購入で買いたたきの先頭に立ち、売却では6千円から7千円で超古米を放出して市場を攪乱したことによります。
 米価暴落のもう一つの要因は、増え続ける外米の輸入であります。平成7年から始めたミニマムアクセス米の数量は、昨年までで723万トンにのぼり、平成18年3月の輸入米の在庫203万トンに上っております。倉庫保管に年間約200億円をかけているのであります。全国の米の総生産額は、平成12年の2兆3千2百億円から平成17年、1兆9千5百億円に減少、農家と地域経済に大打撃をあたえています。
 本県の農業産出額は、平成7年1,311億円から平成17年991億円と34%の減少であるわけであります。米の産出額は平成7年253億円、平成17年143億円で、43%も大きく減少しているのであります。本県は平地でも中山間でもほとんどの農家が米作りの経営に参加しています。日本で米の自給が維持されている条件の一つに、多くの農家が他の作目との複合、兼業などと合わせて、経営あるいは家として、生産費を償わない条件のもとでも、農地を守るために生産を続けているのであります。米価の暴落は大規模農家ほど深刻な事態に追い込まれています。道理のないミニマムアクセス米の輸入を止め、生産費に見合う米価を保証する施策の実現しか農業を守ることはできないと思うが、見解と今後の方針を明らかにしてもらいたいと思います。
 また、キュウリの栽培促進のため、JA幡多が選果機の買い換えを約3億円で計画をして、二分の一が国の補助は確定をし、農家負担軽減のため、JA幡多の管轄区域の市町村に補助金の要請をした結果、財政が厳しい時、各市町村から一定の補助金が確定したようでありますが、各市町村から、なぜ県からの補助金がいくらかでも出ないのかとの強い疑問の声が出ています。産業の育成の面から、企業誘致等には補助制度があるわけで、制度的な問題があるにしても、応分の補助金は当然出せる仕組みを、産業として考えて作るべきだと思うが、どのように考えるのか、お伺いをいたします。

鳥獣被害対策
 次に鳥獣被害対策について、企画振興部長と森林局長に伺います。
 県は市町村や住民との連携のもと、17年度末現在で種々の防護柵を延長103万2千メートル設置するなどの被害防止対策や、有害鳥獣としての捕獲対策などを実施をし、一定の成果を上げていることは評価するものですが、イノシシ、シカ、サル、ハクビシン、カラス、カワウ等の被害の状況は依然として深刻であり、抜本的な対策を確立することが緊急の課題であります。
 特にニホンジカについては、農林業被害だけでなく、自然植生への被害が増大しているのが現状であります。
 以下、質問をいたします。
 平成20年4月から24年3月を期間とする第10次鳥獣保護事業計画を策定するとともに、下部計画である特定鳥獣保護管理計画の見直しをするやに聞いているが、どのような構想を持っているのか、明らかにされたいと思います。
 次に、県西部、県東部では、一昨日も論議になりましたように、高密度に生息しているシカの被害は、農林業被害のみならず、黒尊や三嶺などの奥山の国有林内でササや原生林等々の自然植生への被害が大きくなり、食害で樹木が枯死して土砂の崩壊さえも引き起こし、きわめて深刻な状況になっています。県が平成14年から16年に県内全域でシカの生息現況調査を実施した報告では、県内の推定生息頭数は31,673頭で、適正生息頭数9,202頭に対し、22,471頭が超過となっているのであります。
 しかしながら狩猟と有害鳥獣の捕獲数の合計は、15年から17年で8,689頭であります。田畑は防護柵で一定被害を防げても、森林は不可能であります。しかも毎年増殖するわけですから、被害を防止することは出来ません。
 シカ、イノシシ、サル、ハクビシン、カワウ等の有害鳥獣の被害を防止するためには、捕獲以外に効果をあげることはできません。しかしそれらに従事する人達の経費を補償することが緊急の課題であります。そのためには、捕獲報奨金の単価の引き上げや県補助を二分の一にするなどを含めて、制度の充実が求められていると思うが、どう考えるのか。
 次に、被害対策に取り組んでいる人達からは、捕獲時に国有林内に逃げ込み、捕獲行為をしない時は国有林から出てきて被害を与えている。四国森林管理局管内の国有林が相当多くのシカの生息の場になっている。国有林の被害も増大している現在、森林管理者自らが有害鳥獣の捕獲を積極的に行うべきだとの不満の声が強いが、県として強力に要請する必要があると思うが、どう考えるのか。
 被害を受けている地域住民からは、人間が囲いの中で農作業をしている状況はあまりにもひどい。現状が続くなら農産物の耕作は出来ないと放棄する農家も増えています。又、間伐や森林対策に力を入れても、鳥獣被害の対策を強化しなければ、森林を守り育成することは出来ない状況になっている。森林環境税を鳥獣被害対策にも利用できるようにして、防止対策の予算の増額につとめるべきだと思うが、そのお考えはないかお伺いをいたします。

四万十川青のり
 最後に、海水と真水がほどよくまじる汽水域に生息する青のりは、かつては全国で生息をしていたが、河川の汚染でだめになり、今では四万十川産が全国の9割を占める貴重な水産資源であり、地元の産業であります。
 かつては40トンの収穫があった生産量も、昨年3トン、今年も5トン前後となると言われています。不作の要因は温暖化による気象の変化、河川の変化など様々言われていますが、いまだ解明されていません。県として積極的に研究を進めるべきだと思うが、現状認識も含めて産業技術担当理事の見解をお聞きをいたしまして、私の第一問を終わります。


橋本知事の答弁
 田頭議員のご質問にお答えをします。
 まず、犯罪のない安全安心まちづくり条例に関して、条例は、行政や警察の責任を県民に転嫁するものではないのか、また、防犯の第一義的責任は警察にあるのではないか、とのお尋ねがありました。
 今回の条例の検討にあたりましては、日頃から、地域の中で、子どもの見守りなどさまざまな活動に取り組まれている方々の声をお聞きしますとともに、こうした方々に加わっていただきました「安全安心まちづくり検討会」でも、活発な議論をしていただきました。
 その議論の中では、「身近なところで起きる犯罪の中には、例えば、外出をする際に家に鍵をかけるといった、ちょっとした注意によって被害を防ぐことができる場合もあるので、県民一人ひとりが防犯に対する意識を高めることが大切だ」といったご意見や、「犯罪の被害を防ぐためには、地域で活動する団体や住民が、日頃から行政と連携をして取り組むことが大切だ」などのご意見をいただきました。
 今回の条例は、こうした地域の中で自主的な活動をされている方々のご意見をもとに取りまとめたものですので、県民の皆様と行政が一体となって、安全で安心して暮らすことのできるまちづくりに取り組むための指針になるものと考えています。
 そのためには、行政の側が主体的に取り組まなければならないことは当然のことですし、犯罪の予防にあたっては、第一義的には警察がその責務を負っていることも言うまでもありません。

 次に、この条例案には人権に対する配慮が足りないのではないかとのお尋ねがありました。
 一人ひとりの人権が尊重される社会をつくることは、多くの県民の皆様の願いですし、行政を進めていくうえでも基本にしなければならないことだと考えています。このため、今回の条例の検討にあたりましても、人権問題に十分配慮をする視点から、日頃地域の中で、弱い立場の方々への思いやりの気持ちを持って、さまざまな活動をされている方々から、ご意見をお聞きをしました。また、庁内でも政策調整会議などの場で、人権の問題を含めたさまざまな視点から議論を重ねましたうえで、取りまとめを行いました。
 そのことは、条例の前文に「個人の自主性やプライバシーなどの基本的な人権が尊重される中で、互いに支え合い、守り合うことのできる地域社会を築く」と明記していることからもご理解いただけるものと考えています。

 次に医師確保の対策について、医師の養成数の増や医師の配置基準の引き上げ、さらには初期臨床研修制度の早期見直しを国に強く要望すべきではないかとのお尋ねがありました。関連をしますので、あわせてお答えをします。
 ご質問の中でもお話がありましたが、国は、医師が将来供給過剰になると予測をして、昭和61年に医師の養成数を10%程度抑制することを目標に、医学部の入学定員を削減することにしました。その後も、国の基本的な認識は変わっていませんで、日本全体では必要な医師の数は確保されるとしています。
 しかし、本県の状況を見てみますと、中山間の中核的な医療機関の医師の数が減少していますし、救急告示病院の指定の返上を検討している公的医療機関がありますなど、地域では医師が十分に確保されていません。また、中央以外の二次医療圏では、産婦人科や小児科などの診療科に専門医がいる医療機関がかろうじて1ヵ所から2ヵ所に限られているばかりか、県中央部でも夜間の小児救急輪番制度が、ぎりぎりの小児科医師で維持されている状況にあります。
 このような傾向は、平成16年に新たに臨床研修制度が導入された後、著しくなってきています。この制度は、初期臨床研修の時期に内科や外科、小児科など多くの診療科を経験することで、医師としての基礎的な技量を修得する上では望ましい仕組みです。しかしその反面、短期間に多くの症例が経験できる都市部の病院に研修医が集中することになった結果、医師の大学離れを加速したことから、大学の医局が持っていた地方の病院への医師派遣の調整システムを崩壊させる一因になりました。
 今後本県と同様に深刻な医師不足に直面している都道府県と力を合わせて、地方に医師を確保するための初期臨床研修制度の見直しや、一定期間の地方勤務の義務付け、さらには病院勤務医師の勤務環境の改善など、早急に国の責任で積極的に対応するよう強く訴えていきます。

 次に、オーストラリアとの経済連携協定、EPAの交渉に関するお尋ねがありました。
 昨年12月に、政府はオーストラリアとの間でEPAの交渉入りに合意をしました。オーストラリアは農業大国ですので、この交渉で関税が撤廃されることになれば、2国間の問題にとどまらず、他の農産物輸出国からの更なる自由化要求につながることが懸念をされます。またそうなれば、国内の農業だけでなく関連の産業や地域の経済が崩壊してしまうおそれがあることも、ご指摘のとおりです。
 このため交渉入りに当たって、政府は、国民の食の安全と安心の確保や農業の多面的機能への配慮、また、我が国の食料安全保障の確保などに悪影響を与えないよう十分留意して、「守るべきは守る」という方針で臨むとしていますので、米、牛肉、乳製品などの重要品目は関税撤廃の対象から除外するように、政府が一体となって交渉をしていただきたいと思います。
 この問題は、本県でも重大な影響が予想されますので、重要品目の関税が撤廃されることがないよう、政府に要請をしていきます。
 私からは以上です。

島田文化環境部長の答弁
 犯罪のない安全安心まちづくり条例に関して、防犯活動団体の自主性と民主的な運営をどのように担保していくのかとのお尋ねがありました。
 今回の条例の検討にあたりましては、先ほど知事からもご答弁をしましたように、地域の中で子どもの見守りなど、さまざまな活動に自主的に取り組まれている団体の皆様とお話し合いを重ねてまいりました。
 この議論の中で、団体の皆様からは、自分達が実践している活動の内容を工夫したり、幅を広げたりすることによって、安全で安心なまちづくりのための、より実効性のある取り組みにつながっていくのではないか、といったご意見をたくさんいただきました。
 たとえば、子どもを事件や事故から守りますため、高齢者の方々が子どもの登下校にあわせて散歩をしたり、通りに出て子どもに声をかけたりすることや、交通安全の指導をしている方々が、子どもたちの通学の見守りをすることもできるのではないか、といったご提案などがありました。
 この条例は、こうした地域の方々の自主的な活動によって、地域の支え合いや守り合いの輪を広げていただき、それに行政の取り組みとが一体となって、安全で安心して暮らすことのできる地域社会の実現を目指そうとするものです。したがいまして、こうした地域での取り組みは、あくまでも県民の皆さんの自主的で主体的な活動によって進められることが基本となるものでして、これまでの検討の中でもその認識について十分な議論をつくしています。

 次に、防犯カメラによる人権侵害について、お尋ねがありました。
 防犯カメラは、犯罪を抑止するうえで一定の効果があると思います。同時に、その設置や運用にあたりましては、プライバシーなどの人権への配慮が欠かせないものと考えます。
 今回の条例案には、お話にありました埼玉県のような、防犯カメラそのものの設置や運用に関する指針を策定することとはしておりません。ただ、この条例では、防犯に配慮した道路や住宅などの構造や設備などに関する指針を策定することにしておりまして、その中には、防犯カメラの設置が盛り込まれることも想定されます。
 その場合には、防犯カメラの存在を周知することや、得られた画像や情報を適正に取り扱うことなど、設置や運用にあたって留意すべき事項を定める必要があると考えています。
 以上でございます。

畠中健康福祉部長の答弁
 医師確保についての一連のご質問にお答えします。まず、医師確保対策では島根県で進めている3つの視点が重要ではないか、また、奨学金制度と「ドクターバンク」制度についてのお尋ねがありました。関連しますので、あわせてお答えいたします。
 お話にありました島根県の医師確保策は、地域の医療を支える医師を確保するために参考となる実効ある取り組みだと思います。来年度から県が取り組む医師確保対策については、高校生から地域の医療を担う医師として定着するまでのライフステージに応じて検討を行ってまいりました。
 まず、高校生に対しましては、一人でも多くの高校生に地域医療の医師を目指していただけるよう、学校や医療機関とも連携し、地域医療の現場体験や現場の医師などの体験談を聞く機会などを設けますとともに、県内で地域医療を志す学生を支援するための奨学金制度を創設することにしました。同様の奨学金制度を持つ国保連合会とも連携をとり、奨学金を受けとる医学生と奨学金の貸与を受けたのち、県内の指定医療機関で勤務する医師への支援に取り組んでまいります。
 また、医学生に対しましては、これまでも高知大学の医学部の学生にも参加をしていただいています、へき地医療の現場を体験する夏期実習に加えまして、来年度から高知大学に「家庭医療学講座」を設置しまして、地域医療への理解を深めていただくよう取り組みを強化することにしました。そのうえ、高知大学では、平成20年度の入学試験から10名の地元枠を設けていただけることになりました。
 また、県内で初期と後期の臨床研修を受けることが、医師の定着につながりますので、できるだけ多くの医師に高知県で臨床研修を受けていただけるよう、高知大学をはじめ関係医療機関などで構成します臨床研修連絡協議会を設置し、研修医にとって魅力ある研修プログラムの作成など、県内定着の促進を図る取り組みを推進することにしています。
 さらに、県内の医療機関と高知県で勤務を希望する医師を繋ぎ、就業の斡旋などを行うドクターバンクを来年度設置することにしました。ドクターバンクはお話にもありましたように設置するだけでは機能しませんので、県外で勤務する県内出身の医師に対し、同窓会や県人会などの協力もいただき、ドクターバンクの案内や本県で勤務することなどの意向調査を行いたいと考えています。そのなかで県内の医療関係の情報を積極的に提供するとともに、実際に高知に来て医療機関や生活環境を見ていただくことなど、きめ細かな対応に努めていきたいと考えています。
 こうした取り組みを進めるため、来年度、医師確保推進室を設置することにしており、島根県などの全国の先進的な取り組みも参考にしながら、医療対策協議会でご意見もいただき、県民の医療を守るため全力を挙げて医師確保対策に取り組んでまいります。

 次に、女性医師へのアンケート調査についてお尋ねがありました。
 女性医師に対するアンケート調査につきましては、昨年10月、女性医師の職場環境の現状と要望を把握するため、県内の医療機関に従事する女性医師329人を対象に、調査を実施し、209人の女性医師から回答をいただきました。その結果、女性医師のおよそ8割の方が、可能な限り医師として仕事を続けたいという希望を持っていますが、女性医師が働きつづけることで問題となります出産や育児についてお聞きしたところ、出産経験をもつ97人の女性医師のうち、産前・産後の休暇のみしか取得できなかった、しなかったという女性医師が48.5%の47人、また育児休暇を取得した医師は27.8%の27人、一時離職した医師は24.7%の24人という結果で、女性医師は十分な育児休暇がとれず、出産・育児にかかる時期の環境は非常に厳しいと考えられます。
 また、産前・産後の休暇しか取らなかった医師の理由としましては、「技術や知識の遅れに対する不安」や「職場や同僚へ迷惑がかかる」ということ、また、「仕事の都合で取れない」といった理由を挙げられています。
 加えて、職場に復帰する際には、フレックスタイムやパートなどの短時間勤務や当直の免除、時間外勤務の免除を希望するといった柔軟な勤務体制を望んでいることがわかりました。
 女性医師の割合が高くなっていることを考えますと、女性医師が仕事を続けていける就業環境の改善や職場に復帰しやすい仕組み作りなど、早急に対応することが求められますので、高知県医療対策協議会で、協議を行うとともに、国にアンケートの結果もお示しし、早急な対応策を検討するよう要望してまいります。

 次に、県として医師の一括採用や、統一的な人事、研修システムの構築が求められているのではないかとのお尋ねがありました。
 お話にありました、県が医師を採用し、統一的な人事や研修を実施していく仕組みを構築することは、医師確保の方法の一つであると思います。先日、浜田議員にお答えしましたように、本県では、直接県が医師を採用していませんが、へき地医療の分野において、へき地医療に関わる医師と関係市町村及び県とでへき地医療協議会を設置し、医師本人の希望を尊重しながら県が勤務先の調整を行い、へき地医療を確保する仕組みを構築しています。
 こうした仕組みを広げていくためには、まずは地域の医療機関と地元市町村、そして地域の医療に情熱を持って取り組む医師が協力し、地域の医療を守っていくという同じ思いを持つことが必要で、その環境をいかにつくるかが課題となります。
 来年度は、先ほどお答えしましたように、高知の医療を学ぶ家庭医療学講座の開設や、臨床研修連絡協議会の設置など、地域の医療を担う医師の育成に取り組むこととしていますので、医師確保対策室において、総合的な医師確保対策を進めていく中でお話のありました仕組みについても検討していきたいと考えています。

 最後に、医師不足となった医療機関に対する緊急の医師派遣のシステムを、県が主導性を持って構築するべきではないかとのお尋ねがありました。
 医師が不足し、地域の医療を続けることができなくなった医療機関に対し、一定期間、緊急避難的に医師を派遣するシステムは検討すべき課題であり、国において、平成19年度予算で医師の派遣に協力を行う医療機関への新たな助成措置がなされたところです。
 ただ、大学からも十分に地域へ医師を派遣することが困難になってきています本県における現状を考えました場合、緊急対応可能な医師を確保しておくことのできる医療機関がどれだけあるのか、また、派遣する医療機関自体の医療の確保や医師の勤務環境への影響など検討すべき課題があります。
 県としましては、国の新たな助成制度などの動向も見ながら、県医師会や大学、公的病院の関係者で昨年組織しました医療対策協議会において、地域の医療を守るための医師確保対策について幅広く検討してまいります。
 以上でございます。

川上農林水産部長の答弁
 農業問題についての一連のご質問にお答えをいたします。まず、今後の農業施策の進め方に対する基本姿勢についてお尋ねがございました。
 ご指摘のとおり、本県の農業は専業農家はもとより兼業農家、高齢者など多様な担い手が地域の農業を支えております。この考え方の下、これまで施策面においても農業者や地域を対象とした各種の県単独事業等の活用や、中山間地域の新たな振興品目の導入への取り組みといったきめ細かな支援を行ってまいりました。
 また、新たに策定をいたしました「こうち農業・農村振興指針」においても、今後の方向として「意欲と能力のある担い手が創る力強い産地づくり」と「地域特性に即した農業・農村づくり」の二本柱を掲げまして、農業に携わる全ての担い手や関係機関・団体等の力を結集をいたしまして、農業・農村の振興を図る方針を打ち出しております。
 県としましては、今後とも、経営規模等の如何にかかわらず、意欲のある農業者を地域の担い手として捉え、農地の集積を促すなど、各種の支援に努めてまいります。

 次に、「品目横断的経営安定対策」が対象とする集落営農組織の基準について、改正を求めるべきではないかとのお尋ねがございました。
 「品目横断的経営安定対策」につきましては、農業従事者の減少や高齢化による日本農業の生産構造の脆弱化が進む中で、我が国の農業が担い手を中心とした構造となるよう一層の加速化を図るために打ち出されたものであると認識しております。しかしながら、中山間地域を多く抱え、小規模・兼業農家を中心とした本県の農業にとりましては、大規模な経営体というのは、非常に限られて参ります。そうしたことから、新たな対策の導入にあたりまして、担い手の経営規模について全国一律の要件とするのではなく、あくまでも地域の実情を踏まえたものとなるよう基準の緩和につきまして、国に対し強く要望を行って参りました。
 その結果、集落営農組織では、中山間地域などの農地の少ない場合、面積規模の基本原則である20ヘクタールが10ヘクタールまで緩和が可能となる特例や、複合経営を考慮した特例が設けられるなど、本県にとりましても一定の要望が活かされたものとなっていると考えております。
 この新しい経営安定対策は、今後、国がその政策効果を検証することになっていることから、その動向を見守りながら、県としましても、必要に応じまして、他県との連携も図りながら国に対し提案や要望を行って参りたいと考えております。

 次に、「農地・水・環境保全向上対策」についてお尋ねがございました。
 本対策の希望集落につきましては、昨年10月に行った要望量調査では、219集落で実施の意向を示しております。各集落では19年度からの実施に向けまして、農業者だけでなく地域住民など、集落ぐるみでの活動組織の立ち上げや具体的な活動計画の策定について話し合いが進んでおります。19年度予算案は、要望量調査に基づき必要な額を計上をしておりますので、採択を希望する集落のご期待に添うことができるものと考えております。

 次に、ミニマム・アクセス米と米価に関するお尋ねがございました。
 ミニマム・アクセス米につきましては、政府が全量を買い取るとともに、市場の状況を踏まえながら、国産米の需給に影響を与えないように、価格などの面で国産米では十分対応しがたい用途、主として加工用などに向けて販売をされています。米の価格下落の原因につきましては、様々な要因が重なり合った複合的なものであると考えておりますが、米の消費量の低下がとどまらない中で、民間在庫も含めた需給ギャップが主な原因であると考えております。農産物の価格は、基本的には需要と供給の関係で決定されるべきものであり、政府が米価の管理をして価格の保証をすることには国民の理解が得られないと考えているところでございます。
 ミニマム・アクセス米の輸入につきましては、新たなWTOの農業交渉の合意ができるまでは現行の数量が維持されることになっていますことから、国において国民の理解が得られるよう、しっかりと交渉することを期待しております。

 つぎに、国の補助事業に対し、県も応分の補助を行う仕組みを作るべきとのお尋ねがございました。
 ご指摘の農業構造改善事業の施設整備につきましては、厳しい財政事情もありまして、国の補助金に県費を上乗せする措置はとっておりません。しかしながら一方で、地域のニーズに幅広く対応できる県単独事業も用意してありますので、国の事業と県の事業とを効果的に組み合わせるなどの工夫によりまして、地域の実情や特性に配慮した支援に努めて参りたいと考えております。
 私からは、以上でございます。

十河企画振興部長の答弁
 ニホンジカの食害を中心とした鳥獣被害対策に関しましていくつかのお尋ねがありました。
 まず、第10次鳥獣保護事業計画の策定と特定鳥獣保護管理計画の見直しについて、どのような構想を持っているのかとのお尋ねがありました。
 先日、黒岩議員にもお答えをいたしましたように、ニホンジカによる食害は、植物の種類や樹種、樹木の大小を問わず、一部の植物を除く全てに及んでおり、農林業の被害にとどまらず植生の変化など自然環境や樹木の枯死による斜面の崩壊等多岐にわたる深刻な影響が心配されています。県といたしましても、ニホンジカの食害対策は緊喫の課題であると受け止めています。
 お尋ねのありました第10次鳥獣保護事業計画では、法改正の大きな柱となっている有害鳥獣の捕獲を推進するため、本県独自の取り組みとして、ニホンジカについては、1捕獲隊当たりの捕獲頭数を増加することや、捕獲許可期間を延長することを盛り込みたいと考えています。
 また、10次計画の下部計画として策定する特定鳥獣保護管理計画の第2期計画では、関係の方々から要望の多い狩猟期間の延長や、特に、ニホンジカ対策として1人1日当たりの捕獲頭数の見直しについて検討したいと考えています。

 次に、捕獲報償金の単価の引き上げや補助率の見直しについてお尋ねがありました。
 本県では、有害鳥獣による被害防止対策の1つといたしまして「高知県鳥獣被害緊急対策事業費捕助金」を設けています。これは防除柵の設置への支援とともに、市町村が狩猟者に対し支出している捕獲報償金へ、県が支援することにより有害鳥獣捕獲を少しでも進めていこうとするものです。
 お話にありました捕獲報償金の県の補助対象額の上限は、現在イノシシ、ニホンジカなどの種類に関わらず、大型獣については1万円以内としています。ただ、狩猟者からは「イノシシと比較するとニホンジカの捕獲は、労力に見合わない」といった声も挙っていますし、捕獲獣によって報償金に差を設けている市町村もあります。
 こうした実態もあることから、今後関係機関と協議しながら少しでもニホンジカの捕獲を進めることができるよう、県の補助対象額の上限の見直しを検討してみたいと思います。
 また、厳しい予算事情のもとで、補助率を引き上げますと、事業量の減少、すなわち捕獲頭数の減少にもつながりかねませんので、現時点での補助率の見直しは困難だと考えています。
 ただ、先ほどもお話しましたように、狩猟期間の延長や、一人一日当たりの捕獲頭数の増加など、規制の緩和もセットで行うことで捕獲の促進を図っていきたいと考えています。

 次に国有林での捕獲に関して、森林管理局への要請についてお尋ねがありました。
 お話しのありました、国有林でのニホンジカの捕獲の問題につきましては、まず、国有林に入るには入林許可が必要であること、それに加えて国有林は広大であり、人々の生活圏からは遠い奥山であることなどから、市町村や地域の方々による捕獲には限界があり、かねてより地域住民の方々からは国有林での森林管理局の対応について不満の声が根強くありました。
 現実に、最近では、国有林でのニホンジカの食害が拡大していることから、国有林以外へもその影響がおよんでいます。
 そこで、森林管理者自らが捕獲に積極的に取り組むよう、昨年11月には、四国森林管理局や中国四国農政局、中国四国地方環境事務所などの関係機関に早急な対策を申し入れいたしました。なかでも、森林管理局に対しては、国有林の管理者としての責任を果たすべく、自ら積極的に捕獲を行っていただくよう、特に、強く申し入れを行いました。
 一部の森林管理署ではすでにニホンジカの有害捕獲を実施していた例もありますが、引き続き、関係機関と粘り強い協議を行い、今後とも、すべての森林管理署において、自ら積極的に有害鳥獣の捕獲に関わっていただくとともに、市町村の有害鳥獣被害対策協議会などと連携して、一斉捕獲を実施するといったことも要請していきたいと考えています。
 以上でございます。

氏原森林局長の答弁
 鳥獣被害対策に森林環境税を利用しては、とのお尋ねがありました。
 森林環境税は、導入時に県民の皆様にお約束したとおり、県民参加による森林保全の機運を高める取り組みと、公益上重要で緊急に整備する必要のある森林を間伐するなど、直接森林の保全につながる事業を対象に、既存の事業と重複しないという原則のもと、実施する事業を選択して参りました。
 近年、ニホンジカなどの鳥獣による農林業被害が増え、中山間ではまことに深刻な状況となっております。このため、国の造林補助事業でも、植栽とあわせた附帯事業として食害防止のための防護ネットの設置などを助成をしておりますし、また、鳥獣被害対策の県単独の補助事業も設けられていることから、これまでのところ森林環境税は使われておりません。
 森林環境税については、20年度以降の延長の可否をご判断いただくために、19年度は、これまで県民の皆様から頂いたご意見を踏まえ、より効果的な税の使いみちや、納得のいただける負担のあり方など、具体的な検討をしていくこととしています。ご質問にありました鳥獣被害対策についても、森林環境税の趣旨に照らし、検討してまいります。
 私からは以上でございます。

西本産業技術担当理事の答弁
 四万十川のスジアオノリの不作要因についてお尋ねがありました。
 四万十川の天然スジアオノリは、お話にありましたように、全国の生産量の9割を越える貴重な水産資源の一つです。平成9年から平成18年までの十年間の四万十川下流漁協のスジアオノリ販売数量は、乾燥重量で、少ない年は2.5トン、多い年は13.7トンと年によって大きく変動しておりますが、特に平成18年は2.8トンと、平成10年の2.5トンに次ぐ不漁年となっています。
 生産量減少の原因としましては、山林の荒廃による保水力の低下、河川流量や水温の変化、生活排水の影響など様々な要因が複雑に絡み合っているものと考えられますが、現在のところ解明されていません。また、その生長は塩分濃度に左右されますが、平成17年の秋には、四万十川河口の砂州が流失しており、このため、スジアオノリ漁場の塩分濃度などの生育環境が変わった可能性もあります。
 スジアオノリは汽水域の塩分濃度や水温などの微妙なバランスのとれている場所で生育しており、その不漁の原因の特定は容易ではないと思いますが、今後、河川管理者、大学、地元漁業者及び海洋局と連携し、関係機関が持つ水温や塩分濃度、河川流量などのデータを分析しながら、原因を探っていきます。
 以上でございます。

田頭議員の第二問
 それぞれ答弁をいただきましたので、問題点のところだけ再質問を行いたいと思います。
 まず最初に、農林部長にお伺いをしますが、いろいろ苦労しながら答弁、それから努力もしていることも分かります。分かりますがね、一つは担い手の問題ですわね。そして集落営農の問題ですがね。で、担い手の問題というのは、今回出てきている問題というのはよ、結局、担い手だけに予算も事業も、国は集中をして、その他の農家は切りすてると、その方向できているわけで、あなた自身が色々考えておるかもしれんけれどもね、やはりその立場をきっちりしていかなければ、高知県独自でいかにやると言ったところでね、限界があるわけです。だから高知県の農林部長としてはよね、やっぱり高知県の農業を発展さすために、いまやろうとしている国の施策がどうなのかと、そこらあたりの基本的な認識をね、持って進めないと対策ができないと思いますよ。
 集落営農の問題も一緒です。20ヘクタールが10ヘクタールに減少になったと。で、複合経営でどうこう、という形で集落営農という形が進められておるんだと、いうふうな答弁しましたけれどもね。これはあんた、まあすでに分かった上での答弁だろうと思うけんどもね、結局、集落営農を国が考えているのはよ、ねえ、山間地域の集落は、一人、二人の人達に、全部の田んぼから畑を作ってもらえと。ねえ。他の農家はね、農業やめてしまえと。それが法人化でありやね、そして会計の一元化なんですよね。結局、認定農業者を作ってよ、一人二人で二つの集落を一つにして、基準は10ヘクタールにしちょってよね、その認定農業者に全部の田んぼを、みんなが、畑も貸すと。そしてその人の賃金を保障する。そして会計もやね、一元化する。集落で、全部、会計一つになるわけですから。ねえ。これがね、集落営農の現在の品目横断的経営対策の基本的な中身なんですからね。
 だから高知県ではよ、さっき言ったように、県が決めている基準の集落営農の組織は少しある。それに準じる組織は143ある。まあ全体、部落はどっさりありますわねえ、集落は。高知県でね。それでさえね、結局対象にならんわけですから。
 その基本をきっちり据えた上でね、県としての独自の施策を進めていかなければ、高知県の農業を守ることができない。その立場をきっちりせざったらいけませんよ。
 それから米価の問題でもね、結局、差額を補填しよったら国民の理解が得られんというような答弁、これは国の大臣が言うような答弁やけんどね。やっぱりこれではダメですよ。やっぱり高知県でもね、コメをつくりよう農家が圧倒的多数で、これが基本で、生計を支え、そして施設園芸も全部やっていきよるわけでね。
 そうすると、県の部長としてはよ。ねえ。国民の理解は得られますよ。農業を守り、山を守り、畑を守る。そのことなしに、高知県の県土守ることはできんわけよ。だからその立場に立って進めるという方向をきちっとしなければ、ダメやないかというように思いますよ。その点についてもう一度、あなた独自の率直なお考えを、ひとつお聞かせ願いたいと思います。
 それから鳥獣保護対策ですが、森林局長にお伺いしますがね、だから環境税ができた時にはああいう理由でできましたわね。ところが山を守る、保全をする、そのための環境税なんですから。いま、植林をしたらよ、そのままシカに全部やられてしまいますよ。植林は生えませんもの。だから所によってはね、山で植林した所を、防護策を張りよりますわね、山へね。
 植林したとこへ防護策を張るっちゅうようなね、こんなことが全部の山でできるはずないですもんねえ。そうすると、森林環境税の意味から言ってもね、ぜひ論議をしてやれば、この鳥獣被害対策に予算をまわすということはできないはずはないと思いますので、その点、強力に検討してほしいと、この二点だけ質問をいたします。

川上農林水産部長の再答弁
 田頭議員の再質問にお答えをいたします。中山間地域の農業が8割近くを占めます本県におきまして、地域ぐるみで支え合います集落営農組織の取り組みは、地域農業の維持・発展をはかる上できわめて重要であるというふうに私も認識をしています。
 国の施策が担い手に集中していく中で、国のいう担い手としての集落営農組織を、育成していく視点というのは、もちろん大事にしなければいけないと思ってますが、しかしながら、本県の状況を考えた時、小規模農家や兼業農家を切りすてるのでなく、それぞれがそれぞれの役割を担っていけるようなそういう仕組みづくり、そうした集落営農組織づくりがわが県としては、非常に重要である、大事であると思ってます。
 そのことが地域の農業を守っていって、あるいは農地も守り、あるいは農業面、生活面を含めた集落の活性化につながると考えています。で、集落営農のその取り組みというのはやはり、地域の方々がそれぞれ力を合わせてその地域で農業を核として取り組んでいく、その姿であろうと思ってます。それで、そういうことを含めてですね、やはり農業機械等も集落、その集落営農の中で全体で活用する仕組み、そういうことをやって地域での農業コストを引き下げていくということも大事であろうと思いますし、また県の方でいま進めております有望品目の導入の部分も、これはすべての地域に入っていけるという段階ではございませんけれど、そういう成功例を作りながら、地域の維持と活性化につなげていきたいというのが私の抱負でもあり、考え方でもあります。よろしくお願いします。
 米価の問題については、先ほども申し上げましたように、基本的には市場の原理で決まっていくと、需給の動向で決まっていくというふうに思っています。お話のミニマムアクセス米の米価への影響については、やはり、国の方は国産米の需給にできるだけ影響を与えないということを言っておりますけど、私としては、ミニマムアクセス米が、189トンぐらい18年の10月くらいであるわけですから、この在庫がここまであるということの市場への心理的影響というのは、当然あるんじゃないかと、いうふうには理解しています。
 ただ、それが米価の価格に、どれだけの量的なものとして、定量的なものとして価格にどれだけ反映しているのかということは、ちょっと測定しかねる。私としては、そこはちょっと分からないところですが、心理的影響は十分あるんじゃないかというふうに思ってます。

氏原森林局長の再答弁
 再質問にお答えします。
 まず、森林でですね、新しく植栽をするというのは、現状のシカの被害等でですね、大変難しい状況になってきております。ただ、そうした中で、どうしても植えないといけないところ、そしてまた貴重なものを守らないといけないというところについてはですね、国の助成事業でもそうしたネットとか防護柵とかいうことで助成ができるということになっております。
 そうはいいましてもですね、それぞれ動物によって習性が違うわけですので、それをやったからシカだけは防げるけど他のものは防げないとか、いろいろ事情がありますので、これという決め手がなかなかないというのが非常に難しいところでありましてですね、集落をコア部分と考えれば、背後の山はバッファと考えて面的に整備をするとか、そういう事業も一定あるにはありますけれども、なかなか良策というのが見つけにくいというのが現状であります。
 しかしそうはいいましても被害が非常にひどいわけですので、検討をしてまいりましてですね、環境税でお役に立てるものがあればですね、そういう具体的な検討をしていきたいと思います。
 よろしくお願いします。

田頭議員の第三問
 どうも答弁ありがとうございました。
 まあ、農林部長、なかなか難しい問題でのう。それに、国会での論議みたいになってもいかんしよ。だからそこらあたりアレですが、やっぱり県の農林部長としては一生懸命やりようことは分かるけんどね、やっぱりコメの問題でも、集落営農の問題でもよ、あんたが言うたようにね、農家は全部努力しよう。わしらもやりようわけよ。集落営農の形でね。
 しかし国がいま進めている集落営農とは基本的に違うわけ。だからね、高知県でもね、それに参加する集落は一ヵ所もないわけですから。ねえ、これではね、集落の農業そのものもつぶしてしまう。日本の農業、高知県の農業もつぶしてしまう施策が、今回の国の方針だということをね、きちっと掴まえて立ち向かっていかなければね、具体的な施策も進みませんよ。そのことをね、一つ、ぜひ頑張って欲しいと思います。
 それから、森林局長と企画振興部長、鳥獣被害は本当に大変なわけでしてね。山の方へ行たらよ、時間がないけんもうこれ以上言いませんが、ご承知のようにね、全部囲いの中で、全部農業してますよ。ねえ。山へはトタンがずらーっと張ってしもうてね。これは異常な事態でね。これではね、中山間は疲弊をし、畑は荒れてしまう、田んぼは荒れてしまう現状ですから、やっぱり、効果が上がるようにね、抜本的な対策の強化を、予算面も含めて、今までより以上に、努力は評価していますが、頑張って欲しいということを言って、ちょうど時間になりましたので、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。